読書が苦手な大人が増えている理由|スマホ時代の脳は活字を拒絶する

読書が苦手な大人が増えている理由|スマホ時代の脳は活字を拒絶する

「昔はもっと本が読めたはずなのに、最近ぜんぜん集中できない」

こういう声は本当に多い。知恵袋やSNSを見ていると、大人になってから読書が苦手になったという悩みが山のように出てくる。

私自身はちょっとパターンが違って、子どもの頃から読書が苦手だった。興味がなかった。マンガは読んでいたけど、活字の本を「読みたい」と思ったことがほとんどない。学校の読書感想文も苦手だった。

そんな私が、30代になって読書を始めた。今は「読書が好き」と言える。人生が広がった実感がある。

この記事は、「昔は読めたのに今は読めない」人にも、「もともと苦手だった」人にも、両方に向けて書いている。


目次

「昔は読めたのに読めなくなった」人がこんなにいる

知恵袋に溢れる切実な声

Yahoo!知恵袋で検索すると、こんな投稿が出てくる。

「小1で1000冊借りるほど本好きだったのに、大学生の今はまったく集中できない。1ページ読んだだけで頭がぼーっとして、文字が滑っていく感覚です」

この投稿のコメント欄には「わかります」「私も同じです」という共感の声がたくさん付いていた。

子どもの頃は本が大好きだった人が、大人になったら読めなくなった——これは想像以上に多くの人に起きている現象だ。

私の場合はそもそも「昔から苦手」だった

一方で私のように、もともと読書に興味がなかったパターンもある。

子どもの頃はマンガばかり読んでいたし、活字の本は手に取ることすらなかった。「読書=退屈なもの」というイメージがずっとあった。

じゃあなんで30代で読書を始めたのかというと、世界の成功者のほとんどが読書家であると知ったからだ。本を読めばすべての悩みは解決する、本を読むことで人生が豊かになる——こういう情報に触れたとき、「ちょっとやってみよう」と思った。

きっかけは正直、かなり単純だった。


スマホ時代の脳に何が起きているのか

「昔から苦手」のパターンであれ「昔は読めたのに」のパターンであれ、現代の情報環境が読書の集中力を奪っているのは間違いない。

情報収集がSNSとネットに移行し「短文処理」に脳が最適化された

普段目にしている文章の長さを思い返すと分かりやすい。

Xの投稿は140文字。LINEのメッセージは数十文字。YouTubeのショート動画は数秒。ニュースも見出しだけ読んで分かった気になる。

毎日こういう「短い情報」を処理し続けていると、脳は「短い文章を素早く処理すること」に最適化されていく

そんな脳にいきなり300ページの本を読ませようとしたら、拒絶するのはある意味当然のことだ。

脳が「流し読み」に慣れてしまっている

ネットの記事を読むとき、一字一句丁寧に読んでいる人は少ないと思う。太字のところだけ拾って、見出しだけ読んで「なるほど」と思ったら次に行く。

WEBの世界ではこの流し読みは合理的なスキルだ。大量の情報の中から必要なものだけを素早く拾える。

でもこの「流し読みスキル」が読書の場面では裏目に出る。本は前の文脈を踏まえて次の文章が展開される。途中を飛ばすと話の流れが分からなくなる。じっくり読まないと著者の意図が理解できない。

流し読みに慣れた脳にとって「じっくり読む」のは非常にエネルギーを使う作業だ。だからすぐに疲れる。

長時間のネットサーフィンが脳の読み方を変えている

さらに深刻なのは、ネットの閲覧習慣が脳の文章処理そのものを変えてしまっている可能性があること。

ある研究者は、ネットの閲覧習慣によって人間の読み方が「F字型パターン」に変わっていると指摘している。最初の数行だけ読んで、あとは左端をざっと流す。

これが脳に染みつくと、本のような「最初から順番にじっくり読む」コンテンツに対応しにくくなる。

ただし大事なのは、脳は変化するものだからこそ、また元に戻すこともできるということだ。


読書が苦手な大人が「読める自分」を作る方法

短い本から脳を活字に慣らす

いきなり分厚い本に挑む必要はまったくない。

200ページ以下のエッセイや短編集から始めるのがいい。1つの話が数ページで完結するから、「1つだけ読んでみよう」という気軽さで始められる。

私がよく読むのはビジネス書や自己啓発の本だが、最初から読みやすいものを選ぶようにしている。翻訳された海外実用書は読みにくい感覚があるから(「ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣」とか)、そういうのはAudibleの二刀流でカバーしている。

活字がどうしても辛いなら「聴く読書」で入り口を変える

読書は「目で読む」だけじゃない。「耳で聴く」という入り口もある。

AmazonのAudible(オーディブル)を使えば、活字を一切読まずに本の内容を吸収できる。プロの声優やナレーターが朗読してくれるので聴きやすい。

私はAudible会員になって2年以上経つが、電車・バスの移動時間と寝る前によく聴いている。紙の本とAudibleに同じタイトルがあれば合わせて使う「二刀流」が個人的に一番効果があった。目と耳の両方から入ると理解度が格段に上がる。

活字が苦手な人にとって、聴く読書は根本的な解決策になる。(くわしくは→記事12で書いている)

「読めなくても大丈夫」というマインドも大事

読書は修行じゃないんだから、読めない日があっても全然問題ない。

私は1週間でだいたい半冊くらいのペース。1日1ページも開かない日もある。でもそれでいいと思っている。「また明日読もう」と思えるようになってきたこと自体が、以前とは大きな変化だ。

大事なのは「読めない自分を責めないこと」。焦らず、自分のペースで。


読書を始めて変わったこと

最後に、子どもの頃から読書が苦手だった私が、大人になって読書を始めてどう変わったかを正直に書いておく。

今は「人生が広がった」と感じている。読書を趣味にできて良かったと思う。

今まで知らなかった知識に出会える。自分の悩みに対する解決策が見つかることもある。樺沢紫苑先生の「読書脳」をきっかけに始まった読書習慣が、少しずつ自分の生活を変えてくれている実感がある。

「苦手」という感覚は今はまったくない。読書が好きになったと言える。

もともと読書が苦手だった人間でもこうなれたんだから、「昔は読めたのに今は読めない」という人は、きっかけさえあればすぐに戻れると思う。脳は何歳からでも変われる。


【まとめ】読書が苦手になったのは時代のせい。脳は何歳からでも変われる

大人になって読書が苦手になったのは、スマホとSNSに囲まれた情報環境に脳が適応した結果だ。あなたのせいではない。

  • 短い本から始めて、少しずつ活字に慣れる
  • 活字が辛いなら聴く読書で入り口を変える
  • 読めなくても自分を責めない

子どもの頃から読書が苦手だった私でも、今は「読書が好き」と言えるようになった。きっかけと仕組みさえあれば、誰でも読書を楽しめるようになる。

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